画商シリーズの5回目は、アートファンドの「ポー・ド・ルルス」を紹介します。
1900年代前半、投機目的で10年かけて美術作品を買い集め、ピカソやマティスの初期作品も扱った13人の投資家がいました。果たして彼らの目論見は成功したのでしょうか?
熊の皮(とらぬ狸の皮算用)の意味を持つ「ポー・ド・ルルス」/活動した期間は1904年〜1914年の10年間/中心人物は海運業を営む実業家、アンドレ・ルヴェル/ゴーギャンやゴッホ、キャリア前期のピカソやマティスなど、145点を蒐集/1914年3月のオークションでコレクションは買値の3倍で売れた/売上から経費を引いた利益の20%を作家に還元した/利益の還元は当時でも画期的な出来事だった/「モダンアートは値上がりする(作品もある)」と印象付けたポー・ド・ルルス
画商編はいったんおしまい/経済と美術は結びつくもの/どの画商が欠けていても、近現代の名画は生まれなかったかもしれない/漫才にたとえるとボケとツッコミ/実用性がない商品の価値をプロデュースしてきた存在/サブカルチャーそのものを立ち上げたかもしれない/西洋美術史以外にも美術の歴史がある
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【参考図書】
・画商が読み解く 西洋アートのビジネス史(ディスカヴァー・トゥエンティワン、髙橋芳郎 著)
・ならず者たちのギャラリー 誰が「名画」をつくりだしたのか?(フィルムアート社、フィリップ・フック 著 中山ゆかり 翻訳)
・ビジネス戦略から読む美術史(新潮新書、西岡文彦 著)
※美術ファンのゆるゆるトークですので、一部事実と異なる場合があります。ご容赦ください!