「お坊さん、私は死んだら良いところへ行けますか?」とたずねる95歳のおばあちゃん。 「ぼくはこれからひきこもろうと思うんですけど、どう思いますか?」と不条理な相談 をもちかける学生。「死んだ息子にどうしても会いたい」と漏らす母親... 本州最北端の霊場、恐山。古くから「死者と出会う場所」として知られ、訪れる人が 後をたたない。さまざまに欠落を抱え、悩み、戸惑う人々。彼らは、なぜこの辺境に まで足を運ぶのだろうか。 彼らと正面から向き合う立場にある僧侶の目に、彼らはどのように映るのか。また、 僧侶として、彼らにどのように対峙すればよいのだろうか。このような他者とのやり とり、経験を通して考えさせられる「宗教者の素質」とは? 気鋭の禅僧が、恐山で出会った他者との経験を語り、恐山という場所性を考察。人 はなぜ(この世に存在しない)霊魂を求めてしまうのか?恐山と霊魂のゆくえについて語っ ていただきます。 MP3ファイル