「アートとアートでないものの境界線はどこにあるのか」をテーマにした、ラッセンシリーズの最終回です。なぜラッセンは大衆に受け入れられながら、日本のアート業界から敬遠されたのか、参考図書を読みながら考えた3つの理由を話します。
ハイアートとインテリアアート/美術の歴史や文脈を知らなくても楽しめるアート/同じスタイルをひたすら繰り返す/ラッセンは美術史への連なりを否定していた/血統がわかりにくいので、評価が難しかったのではないか
哲学や思想が読み取りにくい/近代以降の美術作品は作家の内面を発露するもの、とされていた/不気味なほど、どこまでも自己を模倣していくラッセン/インテリアアートは部屋に飾れる絵画でなければいけなかった/スーベニアアート(お土産)の文化の中で育ったラッセン/思想や哲学は邪魔だった
商業的に成功しすぎた/日本特有の清貧思想と相性が悪かった/バブルが弾けた後だから、セレブなライフスタイルに白けた人もいたのでは
ラッセンは顧客のニーズに正直な作家だった/1990年代のラッセンは日本人の欲求を写す鏡だった?/何を買うかで自身を表現する時代/勉強をしなくても、気軽に楽しめる作品/自身の黒歴史的な恥ずかしさ/正直に言えば、「認めたくない」感情が働いていたのでは/波に乗って、波に流されていった作家だったのかもしれない
原田裕規さんの「ラッセンとはなんだったのか」と「評伝クリスチャンラッセン」
▼今回の参考図書
・評伝クリスチャン・ラッセン 日本に愛された画家(中央公論新社/原田裕規[著])
・ラッセンとは何だったのか? 消費とアートを越えた「先」(フィルムアート社/原田裕規 [編集, 著]・斎藤環 [著]・北澤憲昭 [著]・その他12名)
▼お便り・アンケートフォームはこちら ⇨https://forms.gle/tVTAUjro49aaMva99
▼Amazonのほしい物リスト(ご支援・サポートお待ちしています)⇨https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/7UGKPVNIBMTR?ref_=wl_share ▼ジングル音声:音読さん
▼染谷昌宏のデザインブランド「sugata」https://www.someya-shouten.jp/ ※美術ファンのゆるゆるトークですので、一部事実と異なる場合もあります。ご容赦ください!