ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソンシリーズの3回目は、戦後になって活躍し始めた、20代後半から40代のトーベを紹介します。
念願の終戦、31歳でムーミン物語の第一作「小さなトロールと大きな洪水」を刊行/小冊子で、駅の売店や新聞スタンドに並べて売られていた/引き続き、画家や挿絵作家としても活動/印象派やセザンヌを好んだ/芸術を生み出すときには自由で幸福でなければならない/トーベの中にもあった「芸術至上主義」/どんなものを描いても、それは作者の写し身
舞台ディレクター、ヴィヴィカ・バンドレルとの秘密の恋/当時、同性愛は罪だった/2人をモデルにしたトフスランとヴィフスラン/生涯を通して、良き仕事仲間であり、良き友人だった/ムーミンの演劇化にも協力
多数の壁画を手がける/ヘルシンキ市庁舎の食堂の壁画「都会のパーティ」/1950年ムーミン小説の4作目「ムーミンパパの思い出」を刊行/戦後の復興が進むフィンランド/1952年にはヘルシンキオリンピックが開催/初のムーミン絵本「それから、どうなるの?」/西ヨーロッパとの交流が盛んになり、抽象絵画やシュルレアリスムなどの様式が流入
アメリカやイギリスなどでもムーミン物語が出版される/1954年、世界最大の夕刊紙イブニング・ニューズ紙でムーミン漫画が連載される/初の定期収入に浮かれるトーベ/最盛期には40カ国、2000万人の読者にムーミン漫画が読まれた/ヨーロッパでトーベは人気作家になる
〆切の重圧に追われてストレスフルに/マルチタスク状態で自分の時間が全くない/憎悪にも似た感情を抱きながらムーミン一家を描いていた/弟のラルスにムーミン漫画を引き継ぎ、トーベは漫画から卒業
同時期には絵本や壁画など、多角的に活躍/多忙な時期に描いた絵画「暖かいストーブのそばで」/しかし、忙しさからスランプに/「どうすれば絵を描きたい気持ちが戻ってくるのだろう?」/1955年、2度目の個展を開催/生涯のパートナーとなるトゥーリッキ・ピエティラと付き合う/ムーミン物語のキャラクター「おしゃまさん」のモデルになった女性
次回は40歳を過ぎてからのトーベを紹介します。
▼参考図書
・ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソン/トゥーラ カルヤライネン (著), セルボ 貴子 (翻訳),河出書房新社
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