フォーヴィスム・キュビスム・ダダイスム・シュルレアリスムにポップアート。前回の印象派から一転、いよいよアートは難解になってきました。
今回は西洋美術編の締めくくりとして、マティスやセザンヌ、ピカソ、デュシャン、カンディンスキーにウォーホルなど、美術の授業で聞いたことがある作家や1900年代の美術を解説します。
近代美術はお作法が違う/大実験時代/意味を見出すな、考えるな、感じろ
まずはフォーヴィスム/美術における色を再構築した/妻の鼻すじを緑に塗ったマティス
次にキュビスム/モチーフを多方向から観察して再構築した/近代絵画の父・セザンヌ/世界を単純化して見よ/キュビスムをさらに押し進めたピカソとブラック/キュビスムは形を再構築した手法/キュビスムは「スマホのカメラのフィルター」に似ているかもしれない
全てを否定したダダイスム/第一次世界大戦が生んだ美術様式/ダダは駄々っ子だった?/美術を「訳がわからないもの」にしてしまったデュシャン/ものを選ぶ、再定義することもアートになった/アーティストは世界とどう向き合うべきか?
モチーフすらなくしてしまった「抽象絵画」/使うのは線と形と色だけ/リズムとメロディを図式化したカンディンスキー
アートの舞台はヨーロッパからアメリカへ/ヴィーナスに代わったモンロー、果物カゴに代わったキャンベルスープ/アメリカにある象徴を描いたポップ・アート
ポロック・パフォーマンスアート・インスタレーションなど、作家の行為がそのままアートになった
作家の数だけ物語がある、だから現代アートは難解になった/アートが楽しめる社会は、とりあえず生きやすい/作品を見て思ったことが正解、何を感じても間違いではない/何が本物か? はナンセンス/高い絵だから「いい絵」ではない/ピカソですら、全てが傑作ではない
描き始めると、鑑賞する目が変わってくる/最初は模写でいい/上手く描かなくていい、誰かに見せなくていい/この話の続きは美術館で
■今回紹介した作品はこちら
・緑のすじのあるマティス夫人の肖像(アンリ・マティス)
・りんごの籠のある静物(ポール・セザンヌ)
・アビニヨンの娘たち(パブロ・ピカソ)
・ギターを持つ男(ジョルジュ・ブラック)
・泉(マルセル・デュシャン)
・コンポジションVIII(ワシリー・カンディンスキー)
・キャンベルスープの缶(アンディ・ウォーホル)
■参考文献
・図説 名画の歴史―鑑賞と理解完全ガイド(河出書房新社・西岡文彦著)
・ダダ:前衛芸術の誕生 (知の再発見 双書・マルクダシー著,藤田 治彦監修,遠藤ゆかり翻訳)
・増補新装 カラー版 20世紀の美術(美術出版社・末永照和著,早見堯著, 林洋子著,近藤幸夫著,中村英樹著,嶋崎吉信著,堀元彰著,末永照和監修)
タイトル音声:音声さん